サッカー選手が、ケガなく、高いパフォーマンスを発揮するために必要な身体づくり。そのために食事が大事なことはわかっているけど、なにを、どのくらい食べれば良いのか分からない。プロ選手の実際の食事内容やそのほかにも様々な食事法があるがどれが自分に合うのか分からない。
食事内容の良し悪しや、なにを、どのくらい食べれば良いのかは、目標やゴールが決まっていないと判断ができません。まずは身体づくりの目標を明確にして、望む結果を達成するための自分なりの食習慣を身につけましょう。
身体づくりの目標値を決めよう!
自分のベスト体重(体脂肪率)ってどのくらい?
「たくさん食べているのになかなか身体が大きくならない。」
「フィジカルの差が大きく思ったようにプレーできない。」
「ケガが多い。なかなか治らない。」
ご飯をとにかく山盛り食べてみたり、プロテインやサプリメントを試してみたり、食事以外も含めいろいろとできることはやっているけど効果が出ない。もしかしたらあなたは食品選びを間違っているのかもしれません。
食事は身体に栄養を送り込むための唯一の手段ですが、『なにを』送るのかを間違えると期待した効果は現れません。当たり前のことを言っているようですが、これはとても重要です。基本的に一度身体の中に入った食品は、良くも悪くもその栄養効果をそのまま発揮します。腸内環境が悪くて栄養の吸収率が悪いとか、食物繊維が多少脂質の吸収を抑えてくれるとか、例外はありますが一度食品を選択し、のどを通ってお腹に入ってしまえばその後はもうどうすることもできません。食品選びを間違うとあなたの努力はムダになります。
そうならないためにはどうすれば良いのか?答えは簡単です。口に入る前に必要な食品を選べるようになれば良いのです。
自分が最高のプレーを、ケガなくコンスタントに発揮できる身体を作る。それが身体づくりのひとつの大きなゴールです。自分のプレースタイル、所属するチームの戦い方など一人ひとり前提条件が違うため、決まった数値でベスト体重は断言できません。ですが指標となる数値はあります。おそらくその目標値に近いところに自分のパフォーマンスが高くなる身体があるはずです。まずはその目標値を確認しましょう。
体重と体脂肪率の目標値を決めよう!
高校生年代のサッカー選手に求められるフィジカルサイズをご存知でしょうか。明文化はされていませんがJFA(日本サッカー協会)はBMI(体格指数)22.5を目標数値としています。
BMIとは身長と体重から計算される身体の大きさを数値化したもので、体重が重いほど数値は大きくなります。ちなみに目標値はU15で21.5、U21で23.5、U23やA代表での目標値は24となり、体重を増やして身体を強く大きくすることはより高いレベルで闘っていくための必要な準備になります。BMIから目標体重を算出して計画的に身体づくりを進めましょう。
※最後までお読みいただいた方には、ここから先の計算で算出される個人の数値データ【Build-up Programシート】をプレゼントさせていただきますので計算せずに読み進めてください。
①BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)の2乗
②目標体重 = 22.5 × 身長(m)の2乗
身長と体重だけですぐに目標値が計算できる便利なBMIですが、筋肉量や体脂肪量に関しては全く触れていません。たくさん食べてBIMが22.5まで上がったけど体脂肪ばかりが増えちゃって…。ではなかなかパフォーマンスは上がりません。そこでもう一つBMIと別にFFMI(除脂肪指数)を目標数値に加えましょう。
FFMI(除脂肪指数)とは除脂肪体重の大きさをあらわす数値で、簡単に言うと筋肉質であるかどうかの指標です。別名マッチョ指数などと呼ばれたりもします。除脂肪体重とは文字通り、体脂肪を除いた骨や内臓、筋肉などの重さのこと。身長の伸びがおさまった私たちの身体は、体重の増加はほとんど筋肉か体脂肪のどちらかになります。除脂肪体重が増える(FFMIが高くなる)ということは、筋肉量が増加したこととほぼ同じ。アスリートの身体づくりの評価基準として除脂肪体重は重要項目の一つであり、BMIとセットで見ることでより正確に身体づくりを経過をチェックすることができます。
FFMI(除脂肪体重)はそのまま数値目標として使用することもできますが、FFMI(除脂肪体重)に変換した方がより正確です。同じ1kgの除脂肪体重増加でも、身体の大きい身長190cmの選手と小柄な160cmの選手ではパフォーマンスに与える影響は全く違うものになります。体重だけでなく身長も考慮されるFFMI(除脂肪体重)で見るのがおすすめです。
FFMI(除脂肪体重)は明確な基準値はありませんが、BMIとの差が大きくなると体脂肪が多いということになります。目標BMIのマイナス1.5、21を目標FFMIとしましょう。体脂肪率で言うと7%前後の値になるはずです。
③FFMI = 除脂肪体重(kg) ÷ 身長(m)の2乗
④目標除脂肪体重 = 20 × 身長(m)の2乗
目標体重と目標除脂肪体重が計算できたら、目標体脂肪率を算出しましょう。
⑤目標体脂肪率 = ( 目標体重 ― 目標除脂肪体重 ) ÷ 目標体重 × 100
ちなみにプロ選手のBMIはプレースタイルにもよりますが、FWやDFの選手は高めで24弱、MFは少し低く23前後多く、GKはその中間くらいの選手が多いようです。
メッシ選手のフィジカルデータを調べてみると、身長170cm、体重67kg、体脂肪はネット記事から7%くらいとあるので(見た目的にもシーズン中はおそらくそのくらいだと推察)BMIが23.2、FFMIが21.6となります。小柄でであまりウエイトトレーニングなどに力を入れているイメージはありませんが、身体は身長に対して非常に筋肉質です。スプリント、ストップ、ターン、ジャンプやコンタクト、あらゆる動作に筋肉や筋力は必要であり、メッシ選手の神技のようなプレーもその下支えがあって発揮されています。身体づくりやフィジカル面の強化から目を背けず取り組んでいきましょう。
まとめ
・U18 の体格目標値は BMI22.5
・体脂肪の少ない身体をつくるためにBMIとセットでFFMIもチェック
・体重と体脂肪率の目標値を把握しよう
『 なにを 』 食べればよいのか
自分の目標の体重・体脂肪率が決まったら身体づくりをスタートしましょう。身体づくりは運動、栄養、休養の三つが大切です。運動・トレーニングで身体は筋肉量アップに必要な刺激を受け、体内では筋肉量が増えやすい環境が作られます。食事は身体づくりに必要な材料集め、睡眠などの休養は身体をより強く作り直すための時間です。今回は運動と休養に関しては触れませんが、これらもセットで取り組んで身体づくりを成功させましょう。
身体の材料、五大栄養素を揃えよう!
食事・栄養は身体づくりに必要な材料集めと言いましたが、そもそも身体って何を材料にして作られているのでしょうか?
「筋肉をつけるためにはささみだ!鶏胸肉だ!」
「スタミナをつけるためにはご飯をどんぶり3杯は食べないと!」
などなんとなく『良さそう』なことはいろいろ知っているけど、それが本当なのか、そして効果的なのかが分からないままスタートするのはギャンブルです。
身体の材料がなにで、どんな食材を食べれば摂取できるのか、そしてどのくらいの量を食べれば良いのか、ここを整理して毎日の食事をできることから変えていきましょう。
私たち人間の身体は糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素を材料にしてつくられています。
五大栄養素の役割を車に例えると、糖質と脂質は車のガソリン、たんぱく質は車のボディ、ビタミンとミネラルは車がスムーズに動くためのオイル類といった感じです。それぞれにきちんと役割があり、不足すると調子が悪くなるのは車も私たちの身体も同じです。偏りなく全ての栄養が揃うことが重要です。
全てが重要とお話ししたばかりですが、糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素が不足しないようにすることは特に大切です。なぜなら三大栄養素は身体の97%を占めており、三大栄養素が不足した身体は車体がボロボロでガソリン不足の車と同じ。車体がない、ガソリンが切れている、そんな車にいくらオイル類を準備しても動きません。三大栄養素はしっかり必要な量を食べましょう。
またわずか3%しかないビタミン・ミネラルですが、身体を無理なく無駄なくスムーズに機能させるために重要な役割をしています。車体がないと意味がないのはその通りですが車体が整えばめちゃくちゃ効果を発揮するのがビタミンとミネラル。3%しかないからと疎かにせず、むしろたった3%で身体の調子を整えてくれる重要なものと捉え、不足しないよう注意しましょう。
では五大栄養素を摂るには具体的になにを食べれば良いのでしょうか。それを知るために食べ物に含まれる主成分についてお話しましょう。
主成分とはその食べ物に一番多く含まれる栄養素のことで、そこを無視して食べ物を選ぶと狙った効果は出てきません。出てこないどころか、良くない変化が出ることもあります。
例えば、カルニチンという栄養成分を知ってますか?カルニチンは体脂肪燃焼に役立つ栄養素で羊肉や牛肉、赤貝などに多く含まれます。シーズンインに向けて身体を絞りたい選手が「よし!体脂肪を燃やすためにカルニチンを摂ろう!」と羊肉を大量に食べるとどうなるか。羊肉の主成分はたんぱく質と脂質です。カルニチンで体脂肪燃焼をするつもりが、カルニチンのサポートで燃える体脂肪の量以上の脂質を摂ることになり、身体を絞るどころかむしろ太ってしまうでしょう。
もちろん、主成分以外の微量な栄養素も大事なことは間違いありません。ですがその食べ物を食べた時に、効果が最も現れるのは栄養成分が一番多い主成分です。微量栄養素を気にかけることも大切ですが、まずファーストステップではざっくり全体が整うことを優先させましょう。
五大栄養素を主成分とする食べ物
では五大栄養素を含む食べ物はどんなものがあるのか、しっかり覚えて自分で食べ物を選べるようになりましょう。五大栄養素を主成分とする物で身体づくりにおすすめな食べ物は以下の通りです。
- 糖質 : こめ、めん、パン、芋類、豆類(大豆を除く)
- たんぱく質 : 肉、魚介類、卵、乳製品、大豆製品
- 脂質 : 肉、魚介類、卵、乳製品、大豆製品
- ビタミン : 野菜、海藻類、果物
- ミネラル : 野菜、海藻類、果物
見てわかる通りたんぱく質・脂質、それからビタミン・ミネラルはそれぞれ同じ食品をリストアップしています。ここから先は糖質(Carbo)を主成分とする主食をC食品、たんぱく質(Protein)脂質(Fat)を主成分とする主菜をPF食品、ビタミン(Vitamin)ミネラル(Mineral)を主成分とする副菜をVM食品と呼ぶことにします。
- C食品:糖質が主成分のこめ、めん、パン、芋類、豆類(大豆を除く)
- PF食品:たんぱく質・脂質が主成分の肉、魚介類、卵、乳製品、大豆製品
- VM食品:ビタミン・ミネラルが主成分の野菜、海藻類、果物
主食をC食品からひとつ選び、おかずに肉や魚などPF食品から1品、そこにVM食品の野菜サラダやたくさん野菜や海藻が入った味噌汁などがあれば五大栄養素が揃ったバランスの良い献立が完成します。量に関しては目標体重や練習量などによって違いますが、なにを食べればよいかに関してはまずは上記食品を揃えればオッケーだということを頭に入れておいてください。
この他にも五大栄養素を含む食品はあります。自分で調べて食べれるものを探すことも必ずプラスになるので興味がある選手はぜひ調べてみてください。そんな時間がない場合は、無駄なく効率的に体づくりをするためにこの中から選ぶことをおすすめします。
まとめ
・身体の材料『五大栄養素』の役割を把握しよう
・五大栄養素を主成分とする食品を覚えよう
・バランスの良い食事=C食品・PF食品・VM食品が揃った食事
ここから先は、あなたが目標の身体に近づくために『どのくらい』食べれば良いのか、量について学んでいきます。あなた個人の数値目標やカロリー管理に役立つ【Build-up Programシート】や、食品選びに役立つ【80kcal食品リスト】のプレゼント特典は巻末のQRコードよりお申し込みください。
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『 どのくらい 』 食べればよいのか
食べるものが分かったら、どのくらいの量食べれば良いのかを学びましょう。食べる量は、目標とする体重や日々の練習などの活動量によって変わります。食べるモノが良くても量が少なければ効果は出にくいですし、量が多すぎる場合は身体が重くなったります。成長期のサッカー選手の身体をつくるためには、身体を大きくさせるための量(カロリー)とは別に、練習やトレーニングなどで消費するエネルギーを食事から摂らなければなりません。自分にとってちょうど良い量の食事を把握して、食事計画を立てましょう。
3食 + 補食で摂取カロリーを確保しよう!
身体をつくるためにはかなりの量を食べなければなりませんが、3食だけで必要量食べるのは大変です。目標体重を増やす(または減らす)食事に加え、運動で消費するカロリーの補給も必要です。補食やサプリメントも活用しながら食事回数を増やしていきましょう。
まず目標体重まで増やすために必要なカロリーを計算します。この量を朝・昼・夕の3食で食べましょう。計算式は以下の通りです。
3食摂取カロリー = 目標体重(kg) × 30kcal
この計算式ででたカロリーを、朝:昼:夕の比率を2:4:4を目安に割り振りましょう。
⑥朝食摂取カロリー = 3食接種カロリー × 0.2
⑦昼食摂取カロリー = 3食接種カロリー × 0.4
⑧夕食摂取カロリー = 3食接種カロリー × 0.4
ここまでで目標体重に到達するために必要な摂取カロリーが出てきましたが、練習や試合で消費するカロリーは別で摂らなけれなりません。その分を補食でしっかり摂りましょう。
捕食は身体を動かすエネルギーになる糖質と、筋肉など肉体の一部になるたんぱく質・脂質を分けて計算します。捕食の摂取カロリーは下記の計算式で出しましょう。
⑨糖質 = 8 × 運動時間(h) × 現体重(kg)
⑩たんぱく質・脂質 = 2 × 現体重(kg) ÷ 24 × 運動時間(h) × 4
ここまで計算してきた補食を含めた1日の食事は、実践してみると分かりますがかなりの量を食べることになります。補食は運動後30分から2時間以内にできるだけ食べるのが理想ですが、高校生サッカー選手の1日の流れを考えると練習後にこれだけ大量に補食を摂ると夕食が大変です。そのため補食は練習後を基本としながらも、午前中や授業間などにも分散させて食べていきましょう。捕食の分散には『食感が長くなる事で起きる筋肉量の減少』というリスクも減らせますし、お菓子やジュースなどに手を伸ばすことも減るはずです。糖質はおにぎりやバナナ、たんぱく質・脂質はプロテインがおすすめです。
※ 捕食のたんぱく質をプロテインで取る場合は、製品の説明通りの分量を1杯が目安です。
カロリーがあるのは三大栄養素だけ!
補食は糖質とたんぱく質・脂質を分けて計算しましたが、3食の摂取カロリーの割り振りはまだしていません。次は各栄養素を何キロカロリーずつ摂るのか割り振りをしていきます。
まず五大栄養素のうちカロリーを持つのは三大栄養素の糖質・たんぱく質・脂質だけです。ビタミン・ミネラルはカロリー0。ビタミン・ミネラルを主成分とする野菜や海藻類は調理法などいくつか気をつける点はありますが低カロリーなので基本的に制限しません。調理で油を大量に使ったり、ドレッシングやマヨネーズなどの油脂類を使いすぎないように気をつけながら食べれるだけ食べましょう。
カロリーコントロールは言い換えると、糖質・たんぱく質・脂質のコントロール。つまり、ごはんなどの主食とメインディッシュの肉や魚などをどのくらい食べるかの管理ということです。
P:F:CバランスではなくPF:Cバランス !
カロリーを持つ三大栄養素、糖質(Carbo)たんぱく質(Protein)脂質(Fat)の摂取比率(カロリー)をPFCバランスと呼びます。アスリートの身体づくりで目安となるPFCバランスは、P:F:C=20:20:60。
五大栄養素の主成分のくだりでお伝えしたとおり、たんぱく質・脂質は同じ食べ物で摂ることができるためPとFを足して、PF:C=40:60と変換してシンプルに考えましょう。目標体重にするために、糖質が主成分のC食品(ご飯、めん、パン)で食事の60%、たんぱく質・脂質が主成分のPF食品(肉、魚介類、卵、乳製品、大豆製品)で40%のカロリーを摂るということです。ビタミン・ミネラルが主成分のVM食品(野菜、海藻類、果物)はおなかいっぱい食べましょう。
⑪朝食C食品摂取カロリー = ⑦朝食摂取カロリー × 0.6
⑫朝食PF食品摂取カロリー = ⑦朝食摂取カロリー × 0.4
⑬昼食C食品摂取カロリー = ⑧昼食摂取カロリー × 0.6
⑭昼食PF食品摂取カロリー = ⑧昼食摂取カロリー × 0.4
⑮夕食C食品摂取カロリー = ⑨夕食摂取カロリー × 0.6
⑯夕食PF食品摂取カロリー = ⑨夕食摂取カロリー × 0.4
PとFのバランスには要注意!
ひとつ注意が必要なのが、たんぱく質・脂質は同じ食べ物から摂れますが、食べ物の種類によってたんぱく質と脂質のバランスが違うという点です。
たんぱく質と脂質は1gあたりのカロリーが違います。1gあたりのカロリーはたんぱく質が4kcalに対し、脂質は9kcalと、たんぱく質に対して脂質は2倍以上のカロリーを持ちます。なのでPF食品は、低たんぱく質高脂質にならないようグラム比が、【たんぱく質:脂質=2:1】以下の量に脂質がおさまる食品を選ぶことがポイントです。たんぱく質:脂質=2:1におさまるPF食品のリスト【80kcal食品リスト】は希望者の方にプレゼントさせていただきます。
まとめ
・目標体重に必要な量(カロリー)を3食で摂取しよう
・練習や試合で消費するエネルギー分を補食でおぎなおう
・カロリーコントロール ≒ 三大栄養素のコントロール
・PF:Cバランス=4:6
・PF食品は高たんぱく低脂質の食品を選ぶことが大切
実践しよう!
あなたの1日に摂取したい栄養素とカロリーは分かりましたが、カロリー管理を継続するのは大変です。実践しやすくするために工夫をしていきましょう。
目標摂取カロリーを80で割る
カロリー管理は80kcalを一単位としていくとちょっとシンプルになります。カロリーを持つC食品とPF食品を80kcal単位で表記した【80kcal食品リスト】を見て、必要な食品を必要量を摂取しましょう。必要量は目標摂取カロリーを80で割って四捨五入をしたものが⑰目標食事量になります。
この山田太郎くんは朝食で、C食品(糖質)を245kcal、PF食品(たんぱく質・脂質)を163kcalそれぞれ食べる必要があり、C食品とPF食品を80で割って四捨五入するとC食品が【3】PF食品が【2】となります。
80kcal食品リストを活用しよう!
【80kcal食品リスト】は身体づくりに役立つC食品とPF食品の80kcalあたりの栄養成分を一覧にしたものです。この栄養成分は文部科学省の食品成分データベースをもとにしています。C食品、PF食品をこの中から必要な分選んで食べるだけで必要な栄養素を必要な分摂取することができます。
山田太郎くんの朝食ではC食品が【3】PF食品が【2】必要ですので、c食品を×3、PF食品を×2選べば朝食に必要な栄養が摂取できます。
例えばC食品×3は、おにぎり1個(おにぎり半分で×1なのでおにぎり1個は×2)とロールパン1個(ロールパン1個で×1)で合わせて×3、これでオッケーです。食パン6枚切りを1.5枚でもいいですし、もち3個とか、うどん1玉もありです。こんな感じでC食品とPF食品の【 × 数字 】を揃えて、あとは野菜をとればいいのです。
【山田太郎くんの朝食例①】C×3、PF×2
・卵かけごはん
ごはん(おにぎり1.5個分)=C×3
卵=PF×1
・納豆1パック=PF×1
・野菜の入った味噌汁
これでC×3、PF×2で野菜も摂れる食事の完成です。
【山田太郎くんの朝食例②】C×3、PF×2
・食パン6枚切りを1枚=C×2
・コーンフレーク少々=C×1
低脂肪乳コップ1杯分=PF×1
・目玉焼き=PF×1
・野菜サラダ
洋食でもC×3、PF×2で野菜も摂れる食事は可能です。
いかがでしょうか?少し食卓に並ぶ献立がイメージできたでしょうか?この要領で3食プラス補食を選ぶことで、自分にとって必要な栄養を必要なだけ摂取することが可能となります。実践してみると、どの選手も捕食の量に驚きます。山田太郎くんの場合はC×20なので、おにぎり10個分です。トレーニング後の捕食だけでおにぎり10個はなかなか食べれません。授業間に分散させて食べる、または3食に少し追加するなど自分なりのアレンジも必要になってきます。
また実践してみると体重が増えすぎたり、増えなかったり、体脂肪率が中々落ちないなど、思ったとおり行かないこともあります。人の体は十人十色、こればかりはやってみなければ分かりません。しかし思ったように進まなくても、『何をどのくらい食べて』『(良くも悪くも)どのような変化があったか』がわかっていれば軌道修正ができます。まずはやってみましょう!
・目標摂取カロリーを80で割って食事量を把握しよう
・80kcal食品リストから必要な食品を選びましょう
・実践と修正を繰り返して身体づくりを成功させましょう
長文を最後までお読みいただきありがとうございました。自分の体組成の目標、目標摂取カロリーと目標食事量など少しめんどくさい計算などもありましたが、数値さえ決まってしまえばあとは80kcal食品リストから必要な分だけ食品を選んで食べるだけです。この食品選びも1ヶ月しないうちに慣れ、よく食べる食品に関してはリストを見なくても選べるようになると思います。頑張りましょう!
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